雛人形辞典

雛人形辞典
2018年02月25日

〇季節の節目に邪気をはらう

雛人形の起源は平安時代に遡ります。
昔の日本にはたくさんの節句があり(五節句)、
人々が季節の節目に身の穢れ(けがれ)を払う大切な行事の一つでした。
その中のひとつ、
「上巳の節句」がひな祭りとなったのです。

〇雛祭りと雛人形の関係

ひな祭りというと雛人形ですね、、、
千年以上もの歴史のある雛人形は、日本独自の大切な文化遺産ともいえます。
「源氏物語」に記述のある「ひいなあそび」などからも、
雛人形の歴史を感じます。

〇「上巳の節句」(じょうしのせっく)と桃の節句

雛祭りは桃の節句と呼ばれ、
桃の節句は「五節句」のひとつの「上巳の節句」(じょうしのせっく)のことです。
古代中国の風習と日本独自の風習が一緒になりました。
「上巳」(じょうし)は、 3月の初めの巳の日をいいます。

この日、水辺に出て穢れを祓うための禊(みそぎ)を行い、
お食事会を催してお祝いをしました。
中国でのこの行事のいわれは、けがれを祓い清める意味合いが強かったようですが、
それが日本独特の祓(はらえ)の思想と結びつきました。

祓(はらえ)の道具として人形(ひとがた)がありました。
古代からの民間信仰として人形(ひとがた)に穢れを移して川や海に流し、
災厄を祓うという風習がありました。
その人形(ひとがた)が、天児(あまがつ)の原型です。

〇雛人形の源流

男女一対にしてまつられる、「雛人形のルーツ」といわれているのが、
「天児(あまがつ)」というお人形です。

あまがつ

天児は、30㎝ほどの竹二本を束ねて胴とし、
さらに別の竹を横に組み合わせて手とし、
絹の丸い頭を付け、目・鼻・口を付けた素朴なお人形です。
その起源は平安時代ともいわれています。

幼児に降りかかる災いや穢(けがれ)を負わせるために
この人形に衣装を着せ、枕元に置きました。
さらに自分の分身として生涯持ち続け、
毎日お供え物をして大切にしたということです。

雛人形は祓(はらえ)の人形、天児(あまがつ)と
「ひいな遊び」のお人形が一緒になったものです。

又、「源氏物語」の中に、
「ひいな遊び」=ままごと遊びをしている風景が登場しています。

この「ひとがた」と「ひいな遊び」が結びついて、
現在の「お雛さま」が生まれました。

川や海に流していた人形(ひとがた)も「雛人形」として造られるようになり、
江戸時代になると、平安時代の宮廷を模した段飾りの雛人形となっていきました。

雛遊びが雛祭りと変化してゆくのは、
江戸幕府が3月3日の節日を「五節句」の一つに定めたことです。

時代と共に3月3日に女の子の幸せと健康を願って人形を飾る
風習がゆきわたってゆきます。

〇桃の節句は五節句のひとつです。

・五節供は「五節句」とも書きます。
江戸幕府が五節句を定めました。

その後明治6年に廃止されましたが、民間行事として今も定着しています。
季節の食べ物をお供えして天地に感謝したり、邪気を払う日とされています。

・人日の節句・・・1月7日 
・桃の節句・・・3月3日   
・端午の節句・・・5月5日 
・七夕の節句・・・7月7日
・重陽の節句・・・9月9日 

旧暦の節句4月になると桃の花が咲くこと、
又、桃は邪気を払う魔除けの木であるから桃の節句と言われています。

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

西陣からの便り
2018年02月09日

「どれ位の大きさの台を用意したらいいですか?」

おひなさまをご予約いただいたお客様から

お電話をいただきます。

「エアコンの風が直接当たらない方が

いいですよね。」

「きれいにしてからおひなさまをお迎えしようと

大掃除しました!」

みなさん、おひなさまがお手元に届くまで

それはそれは、首を長くして待ち遠しく

思ってくださっているようです。

そして とびきりの特等席をご用意してくださっている

ようです。

ほんまにありがたいことです!!

心を込めて丁寧にお作りせんことには

ばちが当たります。

さて、毎年この時期になりますと、ぼちぼち

おひなさまのお菓子がお店に並び始めます。

あられ、菱餅、チョコ、三色団子、桜餅、ポン菓子

など、いろんな種類のお菓子が売られてます。

京都では昔から「引きちぎり」とか「ひちぎり」といわれる

生菓子をお供えするお家も多く、うちも

毎年近くの和菓子屋さんにお願いしてます。

ひちぎり

阿古屋貝を模してるそうですよ!

女の子の成長を祝うお菓子です。

今年のおひな祭りには、たくみオリジナルの

盛器にひちぎりを載せて「きまり!」

(決して押し売りはしませんのでご安心ください笑)

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

雛人形辞典
2018年01月22日

雛人形の歴史

ひな人形の歴史を遡ることで昔の人たちの知恵と祈りの形が
よくわかります。

形代(かたしろ)

「形代」(かたしろ)は人の身代わりとされました。
三月の上巳の節句に、この形代で体を撫でて、けがれや禍いを人形(ひとがた)に移し
川や海に流して子どもの健やかな成長を祈りました。

「形代」(かたしろ)は、古代からのものです。
縄文時代の土偶、弥生年間の人面土器、古墳時代の埴輪などからも推測することが出来ます。
古代では祓以外にも、呪術的な要素も強かったのではないかと言われています。

流してしまうのですから、素材も簡素なものでした。

現代の「形代」(かたしろ)

全国の神社で「大祓」と呼ばれる行事があります。
罪や過ち、心身のけがれを祓い清めるための行事です。

「古事記」や「延喜式」にも記されており、古くから行われていたことが解ります。
 6月は「夏越しの大祓」12月は「年越しの大祓」と呼ばれています。

「大祓」(おはらえ)では「撫で物」(なでもの)とも呼ばれる紙でできた「形代」(かたしろ)に、
名前や年齢を書き、身体をなでて息を吹きかけ自分の罪やけがれを移し海や川に流したり
神社に奉納したりするのです。

「形代」(かたしろ)としての人形

「流し雛」などはその名残と言われています。 
京都でも下鴨神社などで編んだ藁に載せた雛人形「さんだわら」を
境内に流れる御手洗川に流し子どもたちの無病息災を願う神事が行われます。

天児(あまがつ)

天児(あまがつ)は幼児の枕元に置いて
子どもの病気や災厄をはらい、無事な成長を祈るものでした。

30センチくらいの二本の竹の棒を束ねて人形の両手として、
さらにTの字形になるように別の竹を横に組合わせます。
その上に白い絹の布で作った丸い頭を取り付けます。
それに簡単な衣裳を着せて魔除けのお守りとしたのです。   

赤ちゃんの産着などを着せて、
形代(かたしろ)の役目も果たしたようです。

這子(ほうこ)

這子(ほうこ)は、上巳の節句に贈られた人形で、
子どもの枕元におかれ神聖なものとして
3歳になるまでお守りとして持たせるなどの風習も生まれました。

幼児のおもちゃとしても愛用されていたと思われます。
ぬいぐるみの原型とも言われるように、白絹に綿を詰めてつくりました。
這うようなデザインから這子(ほうこ)の名称がついたのでしょうか?

這子(ほうこ)は現在にも伝えられています。
飛騨高山の「猿ぼぼ」は赤い布に綿をつめ、
丸い頭をつけたもので目鼻は描かれていません。
子どもの災厄を祓う這子(ほうこ)が次第に変化して郷土玩具となりました。

立雛

天児(あまがつ)を男雛
這子(ほうこ)を女雛として一対としたものが、
立雛の原型とも言われています。

ひひな

天児(あまがつ)や這子(ほうこ)から派生した「ひいな遊び」のお人形というものがありました。
「源氏物語」に貴族の女の子が「ひいな遊び」をしている風景が登場しています。
「枕草子」にも描かれています。

「ひひな」は童女の遊び道具として存在していました。
「ひとがた」と「ひひな」が結びついて、現在の「お雛さま」が生まれました。

これらの人形は、中世以降になると次第に立派なものとなります。
人形(ひとがた)も「雛人形」として造られるようになり、
江戸時代になると平安時代の宮廷を模した雛壇の雛人形となってゆきました。

雛遊びが雛祭りへと変化してゆくのは、
江戸幕府が3月3日の節日を「五節句」の一つに定めたことと重なります。
時代が進んで3月3日に女の子の幸せを願って人形を飾る風習が広まっていきます。

雛市も盛んになり、市民の間にも浸透していきました。

雛祭りは明治・大正・昭和と経済成長に伴って盛んになってゆきます。
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雛人形辞典
2017年12月22日

「雛人形をいつまでも美しく保つ秘訣」

①何年も仕舞いっぱなしにしないで毎年必ずお飾りください。

②梅雨が明けたころに
虫干しの意味も含めて箱のふたを開け、
中の湿った空気を入れ替えてください。

③詰め物や白い包み紙が古くなったり破れたりしたら
交換する・・・弊店では健康診断含め点検サービスを行っております。
(万が一修理が必要な際には実費を頂戴する場合があります。)

④雛人形にとって湿気は大敵です。
湿気の多いお部屋や押入れの下の段には収納しないでください。

⑤高温で乾燥しやすい屋根裏収納庫も避けてください。

⑥仕舞われる際、防虫剤を交換してください。
衣類用の防虫剤ではなく必ず「人形用防虫剤」
をドラッグストアなどで購入してください。

⑦箱に収納する際、お衣裳の裾が折れ曲がったり
重なったりして変な癖がつかないよう
御髪も整えて元通りの形で収納してください。
雛人形が届いて蓋を開けた際に収納の参考になるよう
お写真を撮っておかれることをお勧めいたします。

 

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

 

西陣からの便り
2017年11月04日

秋深まる京都からお送りする、女将の直伝シリーズ其の四・・・
「有職雛」とは?

皆さま、こんにちは。

またまた女将の奥の深~い直伝シリーズです。

今回は、人形業界でやたら頻繁に使われる「有職雛」とは、一体何ぞや??
という疑問にお答えいたします。

先ず、「有職雛」は「ゆうそくびな」と読みます。

「有職」とは、公家社会のさまざまな決まり事を指す言葉で、
「有職雛」は、お公家さんの着る装束を正しく考証して
作られた雛人形のことをいいます。

お公家さんたちの装束は、身分や年齢、季節によって違うので、
これに合わせて裂(きれ)を選び、雛人形の背丈に合った文様を
人形用に別織りにして衣装に仕立てます。

「有職雛」の男雛は公式な儀式で着用される衣冠束帯(いかんそくたい)、
女雛は十二単(じゅうにひとえ)を着用していることが多いです。

いかがでしょうか、今回は単純明快な答えに
さぞかしご満足いただけたことでしょう笑

女将の直伝シリーズ、まだまだ続きますよう~

次回もどうぞお楽しみに!!

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

西陣からの便り
2017年10月02日

昨日から再開した、女将の直伝シリーズ其のⅢ・・・「お内裏(だいり)様とお雛さまって?」

「灯りを付けましょ、ぼんぼりに~♫ お花をおげましょ桃の花~♫・・・」

そうです、皆さんよくご存じの「うれしいひなまつり」。

この二番の歌詞にある「お内裏様とお雛さま~♫ ふ~たり並んですまし顔♫・・・」

実はこの歌詞、「ふ~たり」ではなくて正しくは「4人並んですまし顔」という事実。

「ちょっと、何言うてんの~、もうー。 

学校で ふ~たりって習ったしー」

という、お叱りの声が聞こえてきそうですが、、、

しかしながら、これは事実なんです。

作詞のサトウハチローさん、ごめんなさい笑

つまり、お内裏様=男雛、お雛さま=女雛ではなく、

男雛と女雛一対のことをお内裏様といい、

お雛さま~、も、男雛と女雛一対の雛人形のことを言います。

だから、「お内裏様とお雛さま~♫」というと、

4人の雛人形が並んでることになるんですね。

あぁ~、ややこしい。。。

やはり、「女将の直伝シリーズ」は奥が深い!!(自画自賛。)

次回もお楽しみに。。。

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

雛人形辞典
2017年07月22日

雛人形は誰が飾るの?

毎年桃の節句を迎えるたびにお飾りされる際には、
ぜひお子さまと一緒にお話しながら飾ってください。

この一年を振り返り
色々な出来事を思い出したり
お子さまのご成長を愛おしく思ったり
そんな思い出を積み重ねて頂きたいと思います。

ご家族の年中行事の一つとして
お子さまの記憶の中に生き続けることと思います。

おじいさまやおばあさま、ご兄弟もご一緒に
大切に慈しんで育ててもらった記憶は成長の過程で非常に
大切な自己肯定感となります。

雛祭りを通してかけがえのない思い出作りを
なさっていただければ嬉しいです。

 

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

 

雛人形辞典
2017年06月23日

雛人形の衣装は色・文様・素材と様々な種類があり、
日本の伝統と美意識が息づく優雅なものです。
男雛は実直で凛とした雰囲気を、女雛はたおやかで清楚な雰囲気を
醸し出しています。
気に入った衣装を纏った雛人形は、
お子様とのよりいっそうの想い出になることでしょう。

◇雛人形の衣装はいつの時代のもの?

雛人形の衣装は京都に都があった
平安時代の宮中の衣装を模したものです。
平安時代は国風文化が盛んになった時代で、
日本の服飾技術が飛躍的に向上した時代でもありました。
平安時代より変わらない、雅な文化が表現されています。

◇京雛の衣装について

京雛の衣装は男雛は束帯、女雛は十二単の衣装を着ています。
平安時代の貴族が着用していたそのままを忠実に再現しており
かさねの色目に代表される色使いや繊細な仕立て、
着せ付け方法など有職故実に基づいた装束を着ているのが特徴です。

◇衣装は手作りしているの?

雛人形の衣装はすべて細やかな手作りです。
裂地選びから行い、
伝統的な色合いや紋様、西陣の袋帯など極上の生地を使用し、
一つひとつの人形に美意識と熟練の職人の技を込めて手作りします。

◇衣装の素材は?

衣装の素材の織物は
ポリエステルなどの化学繊維を使用しているものから
総正絹の糸で織っているものまで様々です。
化学繊維で作られた衣装と総正絹の衣装との見分け方は難しく
織物屋さんでも判別が難しいとよくいわれます。
違和感ない自然な艶があるかどうか、ご自身の審美眼で見分ける、
又は実際の織物の手触りで判断するしかありません。

◇衣装に流行はあるの?

昔は男雛は黒か青色系、女雛は赤色といったものがほとんどでした。
現代では、部屋の雰囲気やインテリアとの調和といった
コーディネート面も考慮されています。
又、配色センスが活きるのが衣装着の雛人形の面白さでもあります。
流行が変わるといったことは特にありません。
お好みの柄やお色目の雛人形をお選びください。

◇おすすめのお衣裳は?

たくみ人形では、裂地選びから配色、かさねの色目の選択、男雛と女雛とのお衣裳のバランスなど
きめ細やかな配慮で一つひとつのお雛さまをお誂えしています。
仕上がりが気に入らないお雛さまを店頭に並べることはありません。
お好きな色、文様、雰囲気で楽しく安心してお選びいただければと思います。

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

雛人形辞典
2016年04月24日

◇雛人形はどこに飾るのがいいのでしょうか?

雛人形を飾る場所に決まりはありません。
しかしながら、せっかくの節目のお祝い事ですし、
季節を楽しむお雛さまですので、
たくさんの人に見てもらえる場所や風通しの良いお部屋、
家族みんなの集まるリビングなどに飾ってあげられると良いですね。

◇飾ってはいけない場所はありますか?

直射日光の当たるところは避けてください。
紫外線により人形が傷んだり、色が褪せる原因にもなります。
飾る場所というよりも、
飾る環境がお人形に適しているかどうかに気をつけるように心がけましょう。

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

雛人形辞典
2016年01月06日

お雛さまの芯になる部分のことを「胴」といいます。

うちの工房では、全てのお雛さまに

桐の木を使った「桐胴」を使っていますが、

日本中の大半の雛人形には、稲わらを束ねた「藁(わら)胴」が

使われています。

(詳しくは、ホームページの「京ひな人形へのこだわり」を見てください。)

「わら胴」の最大の欠点は、「タバコシバンムシ」という、

わらの中にいる虫が雛人形の胴を食うてしまう

おそれがあるということです。

ダニもわきますしね、、、

最近では、畳の材料の「い草に似せた化学製品胴」

みたいなものを使うお店も出てきましたが、

(そもそも化学製品胴って何??)

いずれも、型崩れを起こしやすいという欠点があります。

「そんなん、気持ち悪いし、いやや! ほんまかいな?」・・・

と思われる方は、

「日本人形協会」という、人形関連業者の集まる

日本最大の組織が毎月発行する業界誌 

「にんぎょう日本 2010年9月号」に 

「わら胴に虫が発生する被害について」の記事が

掲載されましたので、参考になさってください。

「わら胴に虫が発生する被害について」は

下記のファイルをクリックしてくださいね。

____ 2021_1_17____________

昔から、いいお雛さまには、必ず「桐胴」が使われていました!

いつの日にか、「桐胴」が 

日本中の雛人形のスタンダードになる日が

くればいいですね!!

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

願いのままにかたちをつくる「お誂え専門の京ひな人形工房」です。私たちはおひとりおひとりのお客さまの想いをお聞きしてから、お雛さまをつくり始めます。
どんな願いを込めたものにしたいのか、どんな想いがそこにあるのか。京都西陣にある、昔ながらのひな人形工房に、お客さまの声をどうぞお聞かせください。