工房便り
先代と母がまだ現役で工房にいた頃、接客は主に
母の担当でした。
お客様のお顔とお名前、ご注文いただいた
おひなさまを全部覚えていて、
後にご来店いただいた時にも、すぐに
「あぁ~OO様ですね・・・OOにお届けさせていただき
ましたねぇ」
などと即座に頭の中のデータを取り出さはるので、
お客様からの信頼は絶大でした。
それに比べてわたしは、なかなかお顔とお名前が
一致しいひんし、物覚えが悪いのか、お尻が青いのか、
まだまだ母には追いつけへんなぁ~とつくづく思います。
うちでおひなさまをご注文いただいたお客様とは
感性が合うというか、価値観が合うというか、
「心が通い合う」んやと今年もやっぱりあらためて
そう思います。
せっかくいただいたご縁なんやし、末永い
お付き合いをさせていただけるように、
心しんと罰があたりますねぇ
母を見習わんとあかん・・・
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今日は、寒いですねぇ~、もう事始めです。
本格的な冬が とうとうやってきました。
こんな寒い日は、こたつに入って
お饅頭でも食べてほっこりするのが
一番し・あ・わ・せ!・・・
ということで、
わたしはさっきから 、昨日京都 高島屋の仙太郎で買うてきた
栗蒸し羊羹と柚子巻きを食べて
しあわせをかみしめてたところです。
あぁ~ほっこりするわぁ~~~^^
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わたしはいつもお客様と接する時に
心がけていることがあります。
それは、もし、わたしがお客さんなら
どうしてほしいのか・・・
ということです。
こんな経験ありませんか?
・・・店員さんが、見てる後からかたずけていく。
・・・いろいろ聞きたいことがあるのに
面倒臭そうに適当にあしらわれる。
・・・いつまで迷ってんの?
みたいな態度をされる。
・・・店員さん同士でめちゃくちゃ盛り上がった
はってお客さん全く無視のお店。
・・・そうかと思えばゆっくり見たいのに
しつこくつきまとって来る。
・・・買わないとわかるやいなや、急に
不機嫌になってあからさまに態度に出された。
どれもこれも 気分が悪いですよね~~
たとえば、きれいなお店を見つけたら
買わへんでも入ってみたいし、
そのお品のこと、いっぱい知りたいし、
プレゼントする相手さんのこと
思い浮かべて、あの方やったら
一番何喜んでくれはるやろかと
思えば思うほど迷ってしまうし・・・
そういう時、わたしならどうしてほしいやろか?
ということをいつも考えてお客様と
接するよう、心がけてます。
まだまだ、至らへんことだらけやと
思いますけど、そういう思いだけは
絶対負けへんつもりです。
気持ちのいい、元気な挨拶で
お客様をお迎えする!のも大事ですよね。
お客様によろこんでいただくとめちゃくちゃ
うれしいし、その日は一日中、
なんかしあわせ~~~な気持ちになって
ハッピーですもん!!
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わたしらは 毎日ごくごく普通に当たり前に
使うてる道具ですけど 一般のお客様が見はったら
「これ何に使うの?」
て言う道具もいっぱいあります。
アルコールランプ。
衣裳を着せ付けたら頭をつける前に
「毛焼き」をします。
毛焼きというのは、
裂地の毛羽立ちをはさみで切るんではなく、
ちょっとずつ焼いていくんです。
アルコールランプの炎がちょうどええ強さやと
思います。
そやけどすごい神経を使う瞬間なんです。
油断したら 焦げてしまいますし・・・
主人が毛焼きしてる時に話しかけたら、
怒られますもん!!
中には全く毛焼きしはらへんかったり、
ライターの火でしはったりするお店もあるみたいです。
アルコールランプ・・・主張は控えめやけど、
実は大事な道具の一つなんですよぉ~
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今日は 道具たちをご紹介します!
いろんな種類の棒や竹べらが並んでいます。
おひなさまの衣裳を着せ付ける時 何せ細かい
作業になりますから 手の入らへん 小さい隙間に
木毛(もくめんともいいます)や綿を詰めるのに
使うたり、形付けたりするのに使うたりします。
先代が引退するときに
「これ使いやすいさかい、あげるわ!」
言うて 譲り受けた、年季の入ったもんもあります。
ただの棒や、へらに見えますけど、
実は 使いやすいように 手になじむように
微妙に削っては調整するんですよ!!
そやさかい、手に合う角度とか太さが
みんな違うんです。
実はすぐれもんの「棒たち」なんです!!
もし失くしたら、又作ったらええやんか!と
思わはるかもしれませんけど、そう簡単には
手になじまへんので、「my棒」は大事な「ai棒(相棒)」
なんですよ!(うまい!座布団1ま~い)笑
おやじギャグですんません^^;
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前日までの雨も上がり、「福福会 暮れの笑い上戸編」
を開催することができました。
会場のちおん舎さんが素敵すぎるぅ~~
先ず、私のトーク
「雛人形と笑い上戸、ひいな遊びーお正月編ーについて」。
今回の「看板娘看板笑い上戸さん」のご紹介。
「平成最後のお正月、笑い上戸と縁起物を飾って笑って福を呼びこもう。」
というゆるゆるまったりした福福会。
「サラリーマン狂言」で話題沸騰中の河田全休さんの狂言は、
‘‘笑い上戸と狂言の初コラボ”
ということで今回書き下ろして下さった初演目
をご披露くださいました。
笑い上戸になりきっての大熱演。。。
その後、龍笛奏者水谷真介さんの登場。
水谷さんはいつも自己紹介する時、
わかりやすく「雛人形の五人囃子です。」
と言うたはるそうで、
今回の依頼を聞いた時「ついに五人囃子のオファーが来たぁ」
と驚かはったということです。
最近は住宅事情や飾ったり仕舞ったりが面倒、
という理由ですっかり登場する機会のなくなった五人囃子。
で、昨日は特別に漫談もご披露くださいました。
題して「リストラされた五人囃子」。
うけるぅ~~!!
思わずぷっ!と吹き出す笑い、そう来ましたか、、、
という笑いで参加者の心をわしづかみ。。。
最後にワークショップ。
狂言の笑い、泣き、怒りの型をみんなでやって大盛り上がり。
雛段の前で15人の雛人形とリアル笑い上戸、五人囃子との
記念撮影。
これは実にレアな画像ですよ、皆さん。。。笑
最近家族や周りの人たちとの関係性が
どんどん希薄になっていると感じています。
うちでお雛さまをお作りさせていただいたお客さまから
お写真やおたたかいお手紙をいただくんですが、
皆さんとっても幸せそう、福福しい笑顔なんです。
福福会では、季節の移ろいを大切な人とお祝いしたり、
人が集まって笑って福々しい笑顔になる機会を
もっともっと作っていこうと思っています。
次回のご参加お待ちしています!
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今日は快晴で空は真っ青・・・
ほんまに気持ちのええお天気でした。
7日、8日は千本釈迦堂の「大根焚き」です。
熱々のお大根をいただいて、中風除けや無病息災を
お祈りしに、たくさんのおばあちゃん達が工房の前を
通らはります。
毎年のことですが、「師走」を感じる光景です。
その帰りに「釘抜きさん」に寄って、お参りしはるのが
お決まりのコースです。
ほんまに健康第一、どのおばあちゃんもみんな
お元気です!!
「ちょっと、あの亥かわいいなぁ~。帰りに寄ろかぁ~」
とかワイワイ言いながら、
楽しそうに歩いて行かはります。
でも、おじいちゃんが少ないような・・・
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今日の京都は朝から久しぶりの雨。
ずっと小春日和のいいお天気が続いていました。
もう12月ですね、、、カレンダーも残りあと1枚。
お買い物に行ったら、白味噌やごまめ、棒鱈とか、
お正月の食材が並んでていっぺんに気忙しなります。
買わなあかんような気がしてあせるぅ~~。
クリスマスソングも流れてて、、、
なんかごちゃ混ぜ。。。笑
でも、年末であることに変わりはない!
平成最後の師走。
前もって年号が変わることがわかってる、って感慨深いものがありますね。
工房では12月から、土・日・祝日も無休で営業しております。
水曜日のみ、制作に集中する日としてお休みをいただいておりますが、
もしご来店ご希望の場合、
事前に(2,3日前までくらい)ご連絡いただきましたら
ご対応させていただけます。
ご注文を頂いてからお誂えさせていただきますので、お時間を頂戴します。
早めのご来店をお待ちしております!
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うちの工房は京都の西陣にあります。
工房の前の千本通りは、かつて平安京の
メインストリート朱雀大路(すざくおおじ)やった
通りで平安時代の都の中心でした。
この辺りを、十二単衣や束帯姿の
大宮人が、輿や牛車に乗ったり、歩いたり
したはったんかと思うと、なんとも雅ですね~
今は、千本通りをずっと東に行った烏丸通が
メインストリートになってしまいましたけど、
西陣は今もずっと織物の町として生き続けて
います。通りを一本入ると普通のおいえの
中から、織物を織ったはる音が聞こえてきます。
織物屋さんもいっぱいあります。
大黒町辺り 風情のある石畳の道です。
うちのおひなさんにも、当然西陣織をつかいますから
場所柄、ええ織物にめぐりあわせてもらえる機会が多く
ほんまに恵まれた環境やと思てます。
ありがたいことです!
「お世話になってる織物屋さんの、色糸の入った棚」
あんまりきれいやったし、お願いして撮らせてもらいました。
きっと、100色以上あるんとちがいますか・・・・
こういう糸が複雑にたて・よこ組み合わさって
素晴らしい織物ができあがるんですねぇ
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今日の京都は朝から曇り空。
いつ雨が降り出してもおかしくない空模様です。
さて今日は、工房の近くの、ガイドブックに
載っていない(と思います笑)お寺の
ご紹介です。
千本今出川の交差点をちょっと西に行った
所に「浄土院」というお寺が目立たず、
ほんとにひっそりたたずんでいます。
このお寺、御本尊の阿弥陀如来像が
重要文化財という実に由緒正しい
お寺なんですけど、その通称が
変わっていて、「湯たくさん茶くれん寺」
というんです。
なんで???
と思うでしょ?
実は、「北野大茶会」に向かう途中に
このお寺に立ち寄った豊臣秀吉が
茶を所望しはったんですけど、住職さんは
「わたしなんかのお点前でお茶を出すなんて
めっそうもない」と、
井戸の名水を沸かした白湯(さゆ)ばかり
出さはったらしいんです。
待てど暮らせど、湯ばっかり・・・
湯たくさんで茶くれへん・・・
湯たくさん茶くれん・・・
湯たくさん茶くれん寺・・・
バンザ~イ!バンザ~イ笑
となったという事です。
今もその井戸は残っているらしいですよ!
いや~歴史っておもしろいですなぁ。。。
というわけで、ガイドブックに
載っていない(はずの)お話でした笑
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