工房便り

西陣からの便り
2017年12月27日

空は灰色。
今日の京都は雪のちらつく寒い日です。

終い天神さんも終わり、あと五つ寝たらお正月。
「いややぁ~、もっとゆっくり来て~、」
と駄々をこねても、お正月は刻一刻と迫ってきています。

師走、せわしなく年末を過ごし、一年をゆっくり振り返ることもなく
新年を迎えるここ最近の年末事情。

家族がみんな健康で年を越せることに只々感謝!

さて、いよいよ年内最後となります、女将の直伝シリーズ其の六・・・
「雛人形の並べ方」。

ここで皆さんに質問です!

雛人形を飾る時、男雛は、向かって右にかざりますか? 
それとも左に飾りますか?

「あ、それ、よう聞く話や、わたし知ってる! 
京都は右で、関東は左!」

 一見正しいような気がするこの答、
ここからが女将の奥のふか~い直伝シリーズならでは、、、
耳の穴を開いてよーく聞いてくださいよ!

古代中国の思想に「天子南面す」という言葉があります。
それにより、京都御所の紫宸殿も南向きに建っています。

天皇が紫宸殿の高御座(たかみくら)に南を向いてお立ちになると
左が東になります。

東は日出る最高の方位ということで、尊いとされますので、
左に天皇様、右に皇后様という位置で立たれるわけです。

そのお姿をこちらから見ますと、
向かって右に天皇様、左に皇后様という並びになりますね。

この並びが、江戸時代から大正年間頃までは雛人形の伝統的な飾りつけ方でした。

しかし、昭和天皇の即位の際、皇室が導入した西洋式の儀礼に基づき
立ち位置が逆になられました。

この時のお姿を参考にした東京の人形業界がお雛さまの飾り位置も逆に置き換え、
普及したといわれています。

しかしながら、弊店では昔の伝統的な習いのまま、
「日出る尊い東の方位、向かって右に男雛、左に女雛」
を飾り付けています。

「まぁ、京都の人って頑固やねぇ~、」
とか言うてる人誰ですかぁ~~?笑

頑固やのうて、あくまでも伝統を重んじるのが京都人なんです。

そこんとこ、よ・ろ・し・くぅ!!

年末押し迫った京都からお送りした女将の直伝シリーズ、
いかがでしたでしょうか?

次回もお楽しみに~~

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雛人形 五月人形は 京都 西陣 たくみ人形

願いのままにかたちをつくる「お誂え専門の京ひな人形工房」です。私たちはおひとりおひとりのお客さまの想いをお聞きしてから、お雛さまをつくり始めます。
どんな願いを込めたものにしたいのか、どんな想いがそこにあるのか。京都西陣にある、昔ながらのひな人形工房に、お客さまの声をどうぞお聞かせください。